macOS アプリインストールメモ (Catalina, MacPorts環境)

はじめに

OpenModelica の開発版のインストールにともない、macOS の Catalina へのアップグレードと MacPorts の再インストールを行ったのですが、この環境に依存する他のソフトウェアも再インストールしなければなりません。そこで、Python と OpenModelica を除く科学技術系のアプリについてインストールメモを残すことにしました。随時、追記や修正を行います。MacPorts がインストールされた環境とはいっても、ソフトウェアによってはMacPorts を使用しないでインストールした方がよいものもあり適宜判断します。

 

FreeCAD 0.18

MacPorts での状況

2020/01/07 現在では、MacPorts でのインストールは失敗します。MacPorts で

sudo port install freecad

と入力すると、依存する Open CASCADE Ver.7.4 がインストールされますが、これに問題があるようです。以下の様に、 OCE (Open CASCADE Community Edition) を使うオプションでインストールできました。

sudo port clean freecad
sudo port install freecad +oce

Open CASCADE Technology 版は、MacPosts で 2019/12/22 に Ver.7.3 から Ver.7.4 にアップデートされています。これより前に MacPorts をインストールしている場合は、

port installed opencascade

と入力して、もし Ver.7.3 がインストールされている場合、以下の様にして Ver.7.3 をアクティブにしてインストールすることもできます。

sudo port deactivate opencascade@7.4.0_0
sudo port activate opencascade@7.3.0_0
sudo port clean freecad
sudo port install freecad

インストール後に opencascade のバージョンを戻してもOKです。

だだし、まだPython3とQt5に未対応で、Python27Qt4を使用しています。結局はアンインストールしました。

 

dmg パッケージのインストール

結局、 https://www.freecadweb.org/?lang=ja から FreeCAD_0.18-16146-OSX-x86_64-conda-Qt5-Py3.dmg をダウンロードしてインストールすることにしました。こちらは Python 3.6.7Qt5 を使用します。最初の起動時は、 FreeCAD のアイコンを Ctrl を押しながらクリックして[開く]を選択します。

FreeCAD (Python 3.6.7 を使用している。)

 

ParaView 5.6.2

MacPorts パッケージのインストール

以下の様に入力することにより、インストールオプションを見ることができます。

port variant paraview

Python 3.7 サポートを加えました。

sudo port install paraview +python37

 

GNU Octave 5.1.0 4.4.1 u1

MacPorts の状況とアンインストール

Octave が使用する Sundials Ver.2 は、OpenModelica が使用する Sundials 3.1.2 とコンフリクトするので、Sundials を使用しない variant でインストールしました。 いったん MacPorts で

sudo port install octave -sundials

のようにインストールしましたが、

  • ODEソルバーやDAEソルバーなどを調べるため Sundials を使用したい。
  • 依存関係でインストールされる texlive-basic, texlive-latex, texlive-fonrts-recomended などが後述する MacTeX とコンフリクトする。

などの理由により、MacPorts 版をアンインストールしました。

MacTeX とのコンフリクトを避けるため以下のパッケージををアンインストールしました。

octave
texlive-basic @50893_0+doc (active)
texlive-bin @2019.50896_2+x11 (active)
texlive-bin-extra @50853_1+doc (active)
texlive-common @2019_0 (active)
texlive-fonts-recommended @49603_0+doc (active)
texlive-latex @50741_0+doc (active)
texlive-latex-recommended @50818_0+doc (active)
dvipng
pgf
dvisvgm
latexmk
pdfjam
latexdiff

 

dmg パッケージのインストール

結局、Octave.app より Octave-4.4.1.dmg をダウンロードしてインストールしました。最新版の5.1.0 Beta も試しましたが GUI が不安定なので止めました。

常微分方程式のテストです。

function xdot = f(x,t)
xdot=-exp(-t)*x^2;
endfunction
x=lsode("f",2,(t=linspace(0,5,50)'));
plot(t,x)

Octave 常微分方程式の例

ターミナルから使えるようにする

ターミナルで次の様に、/usr/local/bin に実行ファイルのシンボリックリンクを作成しました。

sudo ln -sf /Applications/Octave-4.4.1.app/Contents/Resources/usr/Cellar/octave-octave-app@4.4.1/4.4.1/bin/octave /usr/local/bin/octave
sudo ln -sf /Applications/Octave-4.4.1.app/Contents/Resources/usr/Cellar/octave-octave-app@4.4.1/4.4.1/bin/octave-cli /usr/local/bin/octave-cli
sudo ln -sf /Applications/Octave-4.4.1.app/Contents/Resources/usr/Cellar/octave-octave-app@4.4.1/4.4.1/bin/mkoctfile /usr/local/bin/mkoctfile
sudo ln -sf /Applications/Octave-4.4.1.app/Contents/Resources/usr/Cellar/octave-octave-app@4.4.1/4.4.1/bin/octave-config /usr/local/bin/octave-config

 

Jupyter Notebook から使えるようにする

macOSのPython環境について に書いたように anaconda の環境で Jupyter Notebook が使えます。

anaconda3-2019.10 の環境で次の様に入力しました。

(anaconda3-2019.10) % conda install -c conda-forge octave_kernel

この状態で Jupyter Notebook を起動します。

(anaconda3-2019.10) % jupyter notebook

New のプルダウンメニューに Octave が追加されています。

Jupyter Notebook での Octave

参考 http://homepages.math.uic.edu/~hanson/Octave/OctaveODE-EG.html

 

wxMaxima 18.02.0 (Maxima 5.41 with SBCL)

以下の様にインストールしました。

sudo port install wXmaxima

ターミナルから起動するため、~/.zshrc に以下を追記しました。

alias emacs='/Applications/Macports/EmacsMac.app/Contents/MacOS/Emacs'

 

GNU Emacs 26.3 (emacs-mac-app 7.8.1)

以下の様にインストールしました。

sudo port install emacs-mac-app

ターミナルから起動するために、~/.zshrc に以下を追記しました。

alias emacs='/Applications/Macports/EmacsMac.app/Contents/MacOS/Emacs'

以下の様に設定しています。 フォント Ricty Diminished を使っています。大した設定は行ってませんが、いろいろなサイトを参照しました。

~/.emacs.d/init.el の内容

(set-language-environment 'Japanese)
(prefer-coding-system 'utf-8)

;; inhibit startup message
(setq inhibit-startup-message t)

;; font setting 
(add-to-list 'default-frame-alist '(font . "Ricty Diminished-20"))

;; バックスラッシュ
;; https://gist.github.com/1689037
(define-key global-map [?¥] [?\\])
(define-key global-map [?\C-¥] [?\C-\\])
(define-key global-map [?\M-¥] [?\M-\\])
(define-key global-map [?\C-\M-¥] [?\C-\M-\\])

;; カーソルの点滅を止める
(blink-cursor-mode 0)

;; ツールバーを非表示にする
(tool-bar-mode -1)

;; スクラッチバッファのメッセージをなくす
(setq initial-scratch-message "")

;; スクロールを1行ずつにする
(setq scroll-step 2)
(setq scroll-margin 5)
(setq
 ;; ホイールでスクロールする行数を設定
 mouse-wheel-scroll-amount '(1 ((shift) . 2) ((control)))
 ;; 速度を無視する
 mouse-wheel-progressive-speed nil)

;; バックアップファイルをつくらない
(setq make-backup-files nil)
(setq auto-save-default nil)

;; 行間
(setq-default line-spacing 3)

;; ビープ音を無くす
(setq ring-bell-function 'ignore)

(require 'package)
(add-to-list 'package-archives '("melpa" . "http://melpa.milkbox.net/packages/"))
(add-to-list 'package-archives '("marmalade" . "http://marmalade-repo.org/packages/"))
(fset 'package-desc-vers 'package--ac-desc-version)
(package-initialize)

 

LibreCAD 2.2.0-20190419

sudo port install LibreCAD

でインストールされる Ver.2.1.3 は Catalina に対応していないので、development 版を Ver.2.2.0-20190419 をインストールしました。

sudo port install LibreCAD-devel

 

MacTex 2019

MacPorts を使用して TeX Live をインストールしたのですが、TeX Live の管理ツールである tlmgr がインストールされないようです。

という理由で TeX Live を止めて、 MacTeX をインストールし直すことにしました。

 

MacPorts の Tex Live のアンインストール

最初、

sudo port install texlive +full

として、MacPorts の TeX Live をフルインストールしてしまったので、これをアンインストールするためには

sudo port uninstall texlive

だけでは不十分で、

port info texlive

で Library Dependencies を調べて、インストールされる個々のポートと、さらにそれらが依存するポートをアンインストールする必要がありました。つまり、texlive- ではじまる全てのポートのアンインストールです。さらに、MacPorts が使用する /opt/local/bin にあるプログラムと MacTeX が使用する /Library/texmf/bin にあるプログラムでは、/opt/local/bin の方が優先されるため、重複するプログラムはアンインストールする必要があります。MacTeX インストール後に確認し MacPorts の以下のポートをアンインストールしました。

detex
t1utils
ps2eps
groff
psutils

MacTeX のインストール

TeX Wiki の MacTeX のページからミラーサイト https://texwiki.texjp.org/?MacTeX#mirror を調べて、MacTeX-20190508.pkg をダウンロードしました。ダブルクリックしてインストールします。インストール方法の概要は、Tex Wiki MacTeX が参考になります。

Ghostscript は MacPorts でインストールされたものを使うので、[インストールの種類]の画面で、[カスタマイズ]ボタンをクリックし、カスタムインストールの画面で Ghostscript-9.27 のチェックをはずします。インストールしてしまうと、https://blog.ikappio.com/how-to-uninstall-mactex/ に書いてある 「Ghostscript を削除」を参考にして削除作業をしなければなりません。

カスタムインストールの画面で Ghostscript をはずす

パッケージのインストール後、私の環境ではログインしなおさないと、MacTex 関係のパスが有効になりませんでした。ログインし直しなおすと PATH は次の様になりました。

% echo $PATH
/Users/xxxxx/.pyenv/plugins/pyenv-virtualenv/shims:/Users/xxxxx/.pyenv/shims:/Users/xxxxx/.pyenv/bin:/opt/local/bin:/opt/local/sbin:/usr/local/bin:/usr/bin:/bin:/usr/sbin:/sbin:/Library/TeX/texbin:/opt/X11/bin

アップデートと用紙サイズをA4にする設定を行います。

sudo tlmgr update --self --all
sudo tlmgr paper a4

 

ヒラギノフォントの埋め込み

TeX Wiki ヒラギノフォントに記載された一連の作業を行ます。

sudo tlmgr repository add http://contrib.texlive.info/current tlcontrib
sudo tlmgr pinning add tlcontrib '*'
sudo tlmgr install japanese-otf-nonfree japanese-otf-uptex-nonfree ptex-fontmaps-macos cjk-gs-integrate-macos
sudo tlmgr install cjk-gs-integrate adobemapping
sudo cjk-gs-integrate --link-texmf --cleanup
sudo cjk-gs-integrate-macos --link-texmf
sudo mktexlsr
sudo kanji-config-updmap-sys --jis2004 hiragino-highsierra-pron

現在の設定を確認するときは、TeX/Install を参考に次の様にします。

% kanji-config-updmap status
CURRENT family for ja: hiragino-highsierra-pron
Standby family : hiragino-highsierra
Standby family : ipa
Standby family : ipaex
Standby family : ms
Standby family : yu-win10

 

TeXShop の設定

設定の詳細は、TeX Wiki TeXShop/設定 を参考にしました。

Launchpad の TeXShop のアイコンまたはアプリケーションフォルダの TeX にある TeXShop.app を起動します。メニューの [TeXShop] > [アップデートを確認…]を実行してアップデートします。メニューの[TeXShop]>[環境設定…]を選択し、[書類]タブの[設定プロファイル]を upTeX(ptex2pdf) にするだけで大丈夫でした。[内部設定]タブの Distiller (Ghostscript) の欄は、/opt/local/bin にして MacPorts の Ghostscript を使用するように変更します。

下図のようにテキストを入力し、Command-T を押すとタイプセットされプレビュー画面が起動します。

\documentclass[dvipdfmx,autodetect-engine]{jsarticle}

\begin{document}

\section{はじめに}
OpenModelica の開発版のインストールにともない、macOS の Catalina へのアップデートと MacPorts の再インストールを行いました。
\LaTeX の環境は、MacPorts でインストールした TeX Live から MacTeX に乗り換えました。
これは、テストです。

\begin{equation}
\tan{x} \equiv \frac{\sin{x}}{\cos{x}}
\end{equation}

大丈夫そうですね!

\end{document}

 

LaTeXiTの設定

設定の詳細は、Tex Wiki LaTeXiT を参考にしました。

Launchpad の LaTeXiT のアイコンまたはアプリケーションフォルダの TeX にあるLaTeXiT を起動します。

メニューの[LaTeXiT]>[アップデートの確認…]を実行してアップデートします。

メニューの[LaTeXiT]>[環境設定…]を選択します。

  • [一般]タブの[書き出しフォーマット]を[PDF with outlined fonts] にします。
  • [プログラム]-[コマンド]で latex+dvipdf を選択します。
  • Ghostscript (gs) の欄に /opt/local/bin/gs を書き込みます。
  • ps2pdf の欄に /opt/local/bin/ps2pdf を書き込みます。

以上です。

LaTeXiT プログラム設定

下の様に LaTeXiT の入力欄に LaTeX形式で数式を書き込み、[LaTeX it!]ボタンを押します。整形された数式を Keynote などにコピー&ペーストして使います。

LaTeXiT の使用例

 

R 3.6.1

MacPorts で、以下の様にインストールしました。MacPorts に含まれる GUI アプリ R-app はインストールに失敗しました。

sudo port install R +accelerate

 

RStudio 1.2.5033

https://rstudio.com の Products の Studio Desktop より Open Source Edition である Studio-1.2.5033.dmg をダウンロードしてインストールしました。初回、Studio.appを右クリックして開くを選ぶ。MacPorts でインストールした R が認識されてるようです。

RStudio の初期画面

 

Julia 1.3.0

以下の様にしてインストールしました。

sudo port install julica

Jupiter Notebook で使えるようにする

ターミナルで julia と入力して起動し、”]”キーを押します。pkg>と表示されたら、add IJulia と入力します

% julia
               _
   _       _ _(_)_     |  Documentation: https://docs.julialang.org
  (_)     | (_) (_)    |
   _ _   _| |_  __ _   |  Type "?" for help, "]?" for Pkg help.
  | | | | | | |/ _` |  |
  | | |_| | | | (_| |  |  Version 1.3.0 (2019-11-26)
 _/ |\__'_|_|_|\__'_|  |  
|__/                   |

(v1.3) pkg> add IJulia

~/Library/Jupyter/kernels/Julia-1.3 に kernel.json が追加されます。

Jupyter Notebook の New メニューに Julia 1.3.0 が追加されています。

Jupiter Notebook の Newメニュー

参考

Julia v1.0.1 のインストールと Jupyter Notebook で使うまで

 

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